リーディングトリップ・シアター
Mido Laboは今回から「リーディングトリップ・シアター」と銘打って、舞台を作っています。
リーディングトリップ・シアターとは、具体的なセットを使わず、小説の「地の文」と「セリフ」で物語を立ち上げる舞台のことです。
「朗読」とか「朗読劇」と呼ばれることもあるMido Laboですが、続けているうちに、どうもしっくりこないなぁと思うことが多くなってきました。
私たちは、基本的には本を持って舞台に立ちますから、そういう意味では「朗読」の一種かもしれません。しかし「朗読だから読まなければならない」とは思っていないのです。
作品によっては、全く本を持たない人がいるかもしれません。そういう時に「朗読なのに本を持ってない。読んでいない。暗記している」というところに囚われて、それ以上物語に入っていけなくなる方もいらっしゃるのです。そういう風に言われること自体は気にしていませんが、観る方にもっと自由に楽しんでいただきたい…。
そこで、小説の「地の文」と「セリフ」で物語を立ち上げていく、ということだけを定義して、その表現方法は自由に作品に応じて考えていく舞台なんですよ、と最初にお伝えしておきたいと思いました。
そして、お客さまにも積極的に物語の中に入って来ていただきたいのです。リーディングトリップ・シアターでは、お客さまのことをトリッパーと呼びます。ナビゲーター(役者)といっしょにリーディングトリップ(小説旅行)を楽しむ旅人、という意味です。
普通の舞台だと、目の前で具体的に行われることを受け取るだけですが、リーディングトリップ・シアターでは、具体的なセットはありませんし、小道具もあまり出てきません。そこはトリッパーの皆さんが、積極的に自分の頭の中でイメージしていただきたいのです。
普段の生活の中で「イメージする」「想像する」ということを、あまりしないという方も多いんじゃないでしょうか?でも、この人間の力は、創造的なことをする人のみならず、毎日のコミュニケーションの中で、とても大切な力だと思います。
「舞台なんて観に行かないよ」という方、試しにMido Laboを観てみませんか?「感じてみよう」「想像してみよう」と決めるのは皆さんです。そしてその先に見えてくるものを、ぜひ楽しんでいただければ…と思っています。