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「嗤う伊右衛門」無事終了しました!


皆さま、こちらではお久しぶりです。Mido Labo 代表の松井みどりです。


Mido Labo vol.17「嗤う伊右衛門」、先週日曜日に無事終了しました。


ご観劇いただいた皆さま、応援してくださった皆さま、関係してくださった皆さま、本当にありがとうございました!

今回の作品は2018年に企画が立ち上がったのですが、2020年9月、2021年5月と2度延期となり、3度目の正直でようやく皆さまにご覧いただくことができました。


ですから、本当に長い間ずっと心の中にあった作品です。

参加してくれたスタッフ・キャストの皆さんは、2020年の段階から少しずつ変化はありましたが、その変化は常に前向きなものでした。


演出も言っていましたが、延期して良くなかったことは何ひとつなく、どんどんクオリティが上がっていったことについては、本当に嬉しく、ありがたいと思っています。

ご覧になってくださった方はお分かりと思いますが、今回参加してくださったキャスト陣は皆さん実力者ばかり。


こちらから演出をつけるのではなく、常に自分で考えて様々なものを提出してくれました。


演出はそれを見ながら「だったらこうしよう」「そうしたいなら、こっちの方が効果的だよね」というやり取りができたので、こちらが想像もしていなかったものが飛び出したりして、とても刺激的な稽古場でした。

そしてそのようなキャストの皆さんから、私は様々なことを学びました。


Mido Laboはリーディングトリップ・シアターという舞台を作り続けてきました。


具体的なセットを使わず、小説の地の文と言葉で物語を立体化させる舞台、という表現で説明してきたのですが、今回キャストの提出してくれる様々なものを見ながら、私が目指すところがよりはっきり見えてきました。

それは「すべてをリアルに説明するのではなく、お客さまの想像力にもっと頼っていいんじゃないか」ということ。


そもそもMido Laboは、代表である私が本好きで、自分が読んで面白かった本を皆さんにお伝えしたい、というところからスタートしました。


その方法として、私は自分が得意な「読む」という方法を選んだのです。

ですから広義では「朗読」という分野なのだと思います。


しかしそもそも一方で私には「わざわざ舞台に足を運んでくださるお客さまに対して、聴いてもらうだけでいいんだろうか」という想いがずっとありました。


もちろんそれを楽しんでくださる方がいらっしゃることはわかっています。


でも、そこにこだわりを持ち、何か工夫できないだろうかと考えたことが、今のMido Laboの活動につながっています。

具体的には、体を使った芝居の要素を入れるようになり、より立体的に物語をお見せすることができるようになりました。


しかし小説の世界ですから、どこまでいってもリアルなようでリアルじゃないんですよね。だから本当のお芝居のように立ち位置や動きに矛盾が出ないようにしようと思うと、どこかに破綻が生じてしまう…。


今回もキャスト陣からそのような指摘が何度かありました。その度に、私はどう思うんだろうと考えました。するとたいていの場合「そこは気にしなくてもわかるんじゃない?」と思っていることに気がつきました。

読書をする時、人は具体的な像をイメージしていることもありますが、完璧に映像として見ているわけじゃないんだと思います。


例えば「暗い室内から人が外に出た。陽射しがとても強かった」というような文章があったとすると、大体こんな感じの暗いところから表に出てきて、強い陽射しに顔をしかめる人の顔…くらいのイメージで十分じゃないかと。


入り口はどこで、どんな扉があって…というディテールにはこだわらないんじゃないかと思ったのです。

だとすると、暗いところから表に出てきて、陽射しに顔をしかめる…というところさえリアルに表現できていれば、あとはお客さまがそれぞれの頭の中でイメージしてくださる。


そういう余白のある表現が、Mido Laboでやっていきたいことなんだなぁと気づかせてもらいました。

お客さまの想像力と舞台の視覚情報が一緒になって、お客さまの頭の中で像を結ぶ…観て、聴いて、想像して、ご自分の感性を存分に使って、私たちと一緒に物語をお客さまの頭の中に作り上げていく…そんな双方向の舞台を作っていきたい…今回、改めてそう思いました。

ですからリーディングトリップ・シアターは「はい、どんなものができたの?見せてごらん」という風に舞台をご覧になる方には「やりたいことがわからない」と思われてしまうかもしれません。


私たちは皆さんが積極的に舞台に参加しようと思ってもらえるよう、最大限の情報をお伝えします。それをぜひキャッチして、一緒に物語を作り上げていただきたいのです。

ものすごく他力本願に聞こえるかもしれませんが(実際そういうところもあるのですが)それを面白いと思ってくださる方々に、今後もいろいろな作品をお伝えしていきたいと思っております。

そしてこの「嗤う伊右衛門」の使用を許可してくださった京極夏彦様には、本当に感謝いたします。


今回も原作を読んでみたい、読み直したい、というご感想を多くいただきました。

そうです。舞台を観て面白いと思ったら、ぜひ原作に触れてみてください。


そして今回は配信視聴もあります。先日私も2回分の公演映像を見ましたが、とても美しく、照明効果もばっちり体感していただけます。


舞台をご覧いただいた方には、この後原作を読んで、配信映像で答え合わせのように詳細を味わっていただく…という「三位一体」で作品世界に浸ることをお勧めします。

もちろん観劇していらっしゃらない方も、ぜひ配信映像をご覧ください。


私が長々と言っていることは、映像を見ればわかっていただけると思います。

ということで、終わったようでまだ終わっていない今回の公演。もう少しお付き合いいただけたら嬉しいです。


ひとまず、舞台終了報告でした。本当にありがとうございました!



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