ツキニ稽古報告・3月その1
3月、1回めのツキニ稽古です。3月が終わると4月。そうすると月末には集中稽古で5月になって…もう本番!
あっという間に時間が過ぎそうで、ちょっと怖いです。
さて、この日の稽古では、冒頭から改めて細かく見ていきました。
その中で、ひとりの役者さんがある疑問を提示してくれました。
それは、Aという役者さんがセリフを言い、そのセリフとは直接関係のない地の文をBという役者さんが読む、というシーン。小説劇ですから、こういうシーンはよくあります。
しかしBの地の文はAには聞こえていません。だからBが読んでいる間Aはどうしていたらいいんだろう、という疑問でした。
Aを演じている役者さんは自分なりに考えてくれ、自分のセリフの流れの体で身体表現をしていました。Bとは全く違う空間を体を使って生きている、ということですね。
その表現のキレが良かったために、型のように見えていたということでしたが、これもありだと思いました。ただBの言葉が観ている方に入ってきにくいのでは…という意見もありました。
死に体ではなく、そのまま生きた体で地の文が読まれている時も物語の中で生きていくには、どうしたらいいのか?
まだ正解は出ていませんし、正解はひとつではないはずです。自分なりの解釈を見事に見せれくれ、それをきちんと見ている他の役者さんから確認が入るという、とても興味深い場でした。
次のシーンではまた別の課題について、皆で頭を考えました。
あるシーンで、同じ場所にいるCとDという役者さんをわざと離れたところに置き、意識だけは近くにいるということで作ってきたところがありました。
バラバラのピースを観ている側の頭の中でつなぎ合わせてひとつのシーンにしてもらうことを狙ったのですが、あまりに別に存在し過ぎてイメージしにくいのではないかという話になりました。
ではリアルに近くで顔を見合わせながらやった方が良いのかというと、それも微妙です。Mido Laboではほとんど道具類を使いません。ほとんど体のみで表現するので、リアルにやった方が伝わりづらいこともあるのです。
こちらもその日に結論は出ませんでした。しかし離れたところでイメージしてもらうところとリアルに演じるところを上手くミックスさせていくことが必要なのではないかというところまでは行ったので、今後は役者さんたちと協力して試しながら作っていくことになります。
稽古では役者陣は自分の思った通りにまずはやってみて、演出や他の役者たちがどう見えるかをチェックします。最終的には演出が決めますが、Mido Laboでは共演する役者陣に意見を求めることも多いです。
自分では良いと思っても、意外と思っているようには見えない、ということは良くあること。こうやって実験を続けながら、より面白いものを追求していきます。
今回は具体的なようでいてものすごく抽象的なご報告になってしまいましたが、Mido Laboならではという部分だったのでご紹介しました。3月はもう1回ツキニ稽古があります。次回まで、また各自が自分のシーンを積み上げる作業を続けます。
先週末にチケット販売がスタートしました。少しずつご予約が入ってきていてありがたいです。早割は4月11日まで。ご都合のつく方は、お早目のご予約をよろしくお願いします。
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