最後の稽古&通し・本稽古⑱⑲
先日お知らせしたとおり、残念ながらvol.17「嗤う伊右衛門」は再延期ということになりました。
決断は簡単ではありませんでした。最後の最後まで迷い、最終的には本稽古⑱の時に集まった出演者からも話を聞きました。
みんな「Mido Laboさんの決定には従います」と言いつつも、緊急事態宣言が延長された中での公演では、お客さまや関係者の身の安全を担保することができないこと、変異株の感染対策がまだよくわかっていないこと、この状況でお客さまに「来てください」とは言いにくいので集客に貢献できないという悩みなど…忌憚のない意見を言ってもらいました。
こちらとしては、もちろん上記のようなことも考えましたが、延長された緊急事態宣言下では劇場の使用は制限つきながら認められていること、すでに一度延期していること、考えられうる最高のキャストに延期した後にもう一度集まってもらうことができないかもしれないことなどから、やはり開催したいという想いもありました。
しかしそれらの理由は、どこまで行ってもこちらの事情。本当に大切なのは何なのかと考えれば、すべての人の健康であることは言うまでもありません。
みんなと話す中で、いろいろな状況に縛られ、「やらなければいけない」と思い込んでいたことに気づかされました。もう一度基本に立ち返り、このような判断をすることができたのは、一緒に考えてくれたキャスト陣のおかげです。
「絶対」のない今の世の中。私たちはこのような決断をしましたが、他の団体も難しい決断を迫られています。どうぞ、それぞれの苦しい決断を認めていただいた上で、各自ご判断いただければ幸いです。
集まって最初にこのような話をしたので、じゃあこの後どうする?ということになりました。
延期するのに稽古するのも…と思っていたところ、サノヨー(佐野陽一)から「明日、最後に通しませんか?」という提案がありました。たまたまこの日と翌日は稽古の予定があったのです。
なるほど!では今の段階でできるところまでやってみよう、ということになり、この日は翌日の通しのための稽古を行うことになりました。
こんなにモチベーション高くやってくれるキャスト陣には、心から感謝しました。
最後の最後まで、全員が少しでも良い状態で通しをしよう、と考えてくれているのが伝わります。
細かい動きの確認が、最後まで続きました。
そして翌日、本稽古⑲でいよいよ最後の通しとなりました。衣装も着られる人は着て、本番にとても近い形での通しでした。
皆、集中力がありました。このまま本番まで稽古を続ければ、確実にお客さまに楽しんでいただける公演になるのに…正直、悔しい気持ちもありました。
でも、ある意味いつになるかはまだわからない「次」に対しての、本当に素晴らしい課題を各自が持ち帰ることのできる通しでした。
全て終わってから、全員で話をしました。
ここまでどのように考えて稽古をしてきたのか、「嗤う伊右衛門」に対する想い、他のキャスト陣への気持ち、今後についてのことなど、じっくり時間を取って全員から話を聞くことができました。
驚いたのは、ほとんどの人が「モチベーションはまったく下がらない!」と言ってくれたことでした。足りない部分をブラッシュアップしてきます、もっと読み込んできます、など、前向きな言葉が多く聞かれ、主催する側としては本当に嬉しく思いました。
感染状況がこのような状況では、まだ皆さんに公演の時期をお伝えすることはできません。しかし全員のスケジュールを聞きつつ、なんとかひとりも欠けることなく、このメンバーで「嗤う伊右衛門」をお届けできるよう考えていきます。
ご予約いただいた皆さま、応援してくださった皆さま、本当にありがとうございました。しばしお待ちいただくことになりますが、必ず上演します。
今後ともMido Laboを、よろしくお願いいたします。
最終稽古の通しをまとめました。よろしければご覧ください。
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