vol.12稽古⑭
この日の稽古は、なんと私（松井みどり）が稽古場を間違える！という波乱のスタート！いや、本当に申し訳ありませんでした！
そしてこの日はこの人が登場！ちみちおさん！なぜかペットボトルの向こうになっていますが(^^;;忙しいスケジュールを縫って稽古に参加してくれました。
さて、前回「うたかた」の演出を変更したい、と言い出した演出（菊池敏弘）。試行錯誤の後、少し変更すれば、今までの演出でもいけるんじゃないか、というところで稽古が終わっていましたが、まずはその先。ラストシーンをあたってみました。
ここは結構な難しいシーンなので、どうするのかなぁ～と思っていたのですが、とてもシンプルに演出されていました。結局、その方がうまく伝わりそうです。
何回かテストしながら進めて、最後にこのシーンだけを通したのですが、つっちー（土橋建太）のアクションのところで、なぜか15秒くらいのものすごく長い間が。次の人がセリフを言って先には進みましたが、私は彼を見られないところにいたので何が起こっていたのかわからず、どうしたんだろう…と思っていました。
あとで聞いたら、一生懸命言うことを思い出していたのだとか。
誰も止めないし、プロンプ（セリフを忘れた人に周囲が台本を読んで教えてあげること）も入らなかったのですごい間があいたのですが、見ている人たちは、つっちーが何かを言おうとしている雰囲気を感じて、じっと待っていたのだとか。
ターキー（石上貴子）は「何か私が聞こえない周波数でしゃべっていて、みんなは聞こえているのかしら？」と思ったくらい、間が空いても違和感がなかったそうです(^^;;つっちー曰く「役者が何かを思っていれば、それはお客さんには伝わるんだ！」ということで、決着しました(^^)
それから、ちみちおさんのシーンの稽古。見てください、このちみちおさん！シブいですね～。なかなか稽古には参加できないちみちおさんですが、ちみちおさんのお店で働いているキンくん（金純樹）と一緒に、皿洗いなどしながらセリフの練習をしているそうです。
確かに二人の息はぴったり！ちみちおさんは、前回の稽古の時に演出に言われたイメージを、的確に自分のものにしてきてくれました。今回は、さらに演出から次の段階の指示が出ていたので、またお店で稽古してきてくれるでしょう。楽しみです。
そしてこの時、たまたまやったことが結果的に良くて、演出に取り入れられました。いろいろやってみると、発見がありますね。
そして、いよいよ演出が考えてきた「うたかた」の変更点を試してみました。
ポイントは、シーンとシーンのつなぎでした。
今までは本に書かれていることを忠実に再現してきたのですが、シーンとシーンの間で主人公・房子の気持ちを表現することで、ストーリー全体を通して房子さんが立ち上がってきました。
これぞリーディングトリップ・シアター！本を読んでなんとなくイメージしていたことを、過剰な演出や違和感なく具体的に表現します。そうすると、読んでいた時よりもはっきりと話が理解でき、まるでその場に自分が居合わせたかのような気持ちでご覧いただくことができるのです。
なんだか今まで以上にぐっとせつなくなるシーンが増えました。房子さんがなぜ餓死という最期を選んだのか、より分かっていただけるのではと思います。
つなぎの部分を最後まで確認し、この日の「うたかた」の稽古は終了。今までバラバラだったピースが、ひとつにまとまってきました！
続いて「サボテンの花」の稽古。この日の稽古場は狭かったので、けんちゃん（入澤建）の顔が切れちゃいました。けんちゃん、ごめんよ～。
こちらは前回ラストまで行ったので、最初のシーンから振り返りました。やはり結構忘れているところもあって、みんなで確認しながら進めました。
地の文を読む場所が変わったり、権藤教頭役のゲンゲン（斉藤厳）の動きが逆になったりと、意外と修正個所がありました。
このシーンでは小道具も使用するので、その練習も。
「サボテン」は動きが多いので、今までざっくり決めていたところを今後きちんと決めていかなければなりません。「うたかた」の方が大変と思っていましたが、こうなると「サボテン」も大変かも…(^^;;
しかし振り返ってみると、当初の予定通り、一応どちらの作品もざっくりとですがラストシーンまで当たることができました！一時はどうなることかと思いましたが、ギリギリセーフというところでしょうか。
でも、漠然としたところがクリアになっていくにつれ、とても面白くなっています。ここからまたもう一段階ギアチェンジして、今後の稽古に臨みます！
