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vol.12稽古⑫


1月の稽古も、あと3回を残すのみ。その中の貴重な1回の稽古は、まず「うたかた」からスタートしました。

中盤からなかなか進まなかったのですが、ついにこの日はそこから先へ進みました。まだはっきり決まっていないところも多いのですが、大きな流れを確認。

いつものように、どうしたら皆さんの頭の中で立体的に物語を立ち上がらせることができるか、少しずつ動きを変えながら試しました。

これは本当に微妙な作業なので、ほんの少し体の向きを変えただけで、見え方が変わってきます。何もない中で表現している私たちが、お客さまの頭の中でちゃんと物語とリンクして見えるよう、何度もチャレンジしました。

ひとつの章の動きが決まったら、房子をチェンジ。今回は私(松井みどり)とターキー(石上貴子)がダブルキャストなので、2人とも動きを確認することが必要なのです。

さらに両者とも美智子という房子の娘役も演じます。なので、2人とも舞台には出ているということで、動きを確認するのがなかなか大変です。お互いがやっていることが見られないんですよね(^^;;

「うたかた」は、端から見たらまずまず恵まれた境遇にいる70代の房子が餓死を選ぶ、というところから話がスタートします。なので、房子がそうなるまでを、お客さまに納得していただかなければいけません。

そのためには、動き、読み、両方で、房子の微妙な心情の変化を表す必要があります。

まだ若い私たちがそれを表現するのは、ある意味、不遜なことかもしれません。しかし、丁寧に房子さんの気持ちに寄り添うことで、お客さまに少しでも彼女が生きた人生に思いを馳せていただけるよう、精進したいと思っています。

この日は、さらにその先へも初めて進みました。ここからは、ほとんど動きがありません。とにかく、語りとわずかな動きで房子さんの気持ちを表現しなくては…。

そこはまだこれからですが、動きが少ないだけに進み具合としてはサクサク進み、あとはもう2シーンを残すのみとなりました。

そして「サボテンの花」へ。この日はついに、ラストシーンへ進みました。

この最後の章では、今までの謎が一気に明らかになります。そこをどう見せるか!ここに全力を傾けて稽古しました。

リーディングトリップ・シアターを作っていて思うのは、ひとりで朗読している時は気にならなかったことが、気になることがあるんだなぁということ。ひとりの時は、ある意味どうしようもないことというか、普通に伝えられていたことが、これだけの人数をかけることによって、もっと工夫しないと何かそぐわない、と思ってしまうのです。

みんなにも考えてもらい、何パターンか試して、ようやく「これは?」という案が出てきたので、とりあえず次回までに準備をして、試してみることになりました。どうかなぁ。やっぱり、やってみないとわかりません(^^;;

「サボテン」の方は、「うたかた」と違って、動きをいかに効果的に使うかが、ひとつの大きなポイントになります。

静の「うたかた」に対して、動の「サボテン」ということですね。

でもお芝居とは違うので、バタバタと動いても効果的ではありません。そのあたりのセンスが…難しいですねぇ。

「サボテン」は、一応今日でラストシーンまで動きがつきました!なので、次回からは最初のシーンに戻って、つながりを見ながら稽古することになります。

ということで、どちらの作品も今月中にひと通り最後まで当たりたい、という演出のプラン通りに、まずまず進んでいるというところでしょうか。しかし、まだ仮決めのところもあるので、あと2回の稽古で、とにかく全体が見通せるところまでいけるよう、がんばります。

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