vol.12稽古⑧
今回は連日の稽古となりました。今日は「うたかた」から。
若い刑事役のキンくん(金純樹)と房子役のワタクシ(松井みどり)とのシーン。演出(菊池敏弘)が今までと違う地の文の読み方を試してみたいということで、何種類かやってみました。
Mido Laboではお客さまに臨場感を持って小説の中に入っていただくために、役者が本を持たないことがよくあります。でもお芝居ではないので、リアルとは違う動きもします。そこに地の文も絡んでくるので、バランスをとるのが難しい場面があるのです。
みんなにも感想を聞きながら、全員でベストの方法を探ります。
何回かテストして、これが今のところベストバランスじゃないか、というところに到達しました。これで決めて通してみて、また考えるということになります。
ここまでやったところで…なんと今日は突然仕事が入ってしまったということで、演出が退席!早く終わったら帰ってくると言い残して去っていきました…。
残された私たちのミッションは、演出が今ひとつイメージが湧かないと言っていた「サボテンの花」の中盤の動きをつけてみること!
いわゆるたたき台ですね。Mido Laboでも初めてのパターンでしたが、そもそもアイディアの出し合いは普通にしているので、その延長でやってみました。
それぞれ、自分がからむ相手と打ち合わせ。大枠の動きを決めたら「とりあえず、やってみよっか」ということで、動いてみました。
そうするとここがうまくいかないなぁ、というところが出てくるので、そこをみんなで考える、という繰り返し。大体いいかなというところで撮影し、それをみんなで見ながらまた意見を出し合いました。
結構活発な意見の交換があり、劇的に場を変えるアイディアを出してくれた人がいたりして、気づくと中盤の部分をとりあえず全部作ることができました!
なんか、みんなすごいな~。本当に頼もしい限りです。
で、予想より順調に仕事が終わった演出が、なんとか稽古時間内に戻ってきました!到着早々、みんなで作った部分の映像を見てもらいました。
「なるほど~」と言いながら見ていた演出。自分の中で思い当たることもあったみたいで、残りの短い時間でしたが、私たちが出した案をもとにして修正を加えながら稽古ができました。
結果、たたき台がさらにブラッシュアップされ、とても面白いシーンに仕上がったと思います。
過去にも演出が稽古に出られなかったことはありましたが、その時は演出が決めたことをやっていました。こんな風に役者陣で新しいシーンをゼロから考えたのは初めて。
演出は「オレ、これからもたまにいなくなろうかな~」なんて笑っていましたが、まぁいい経験でした。意外とこんなこともできるもんだなぁ~。ちょっと楽しかったです(^^)
これで「サボテン」の方はいよいよ終盤のクライマックスシーンへ向かいます。「うたかた」の方はまだ中盤ですが、こちらは動きとしてはそんなに大きなものはないので、順調にいけば演出のプラン通り、今月中にどちらもひと通りあたれそうです。